REPORT-BAYCAMP201102-








限界を超越し熱狂した湾岸の宴

SuiseiNoboAz(OA) / MO'SOME TONEBENDER / LOSTAGE / group_inou / FRONTIER BACKYARD / killing Boy / POLYSICS / Predawn / 鎮座DOPENESS & DJ UPPERCUT / 0.8秒と衝撃。
DJ:FREE THROW
GUEST DJs:松田"CHABE"岳二(CUBISMO GRAFICO) / 68(MONICA URANGLASS) / DJ SHOCK-PANG(藤田琢巳)

 2011年2/12、"ベイエリアを拠点にドキドキとロックだけを発信し続けるイベント−BAYCAMP"がスタートした。オープニングアクトの SuiseiNoboAzは颯爽と登場するやいなや奇声のようなギター音を爆音で轟かせ、高らかに開幕を宣言する。彼ら独特のロックンロールを休みなく叩きつけ、絶唱と轟音の「水星より愛をこめて」を演奏しステージを去った。

 本編のトップバッターがMO'SOME TONEBENDERという時点ですでにこの先の体力がひたすら心配になる。しかし彼らの演奏が始まってしまえばそんな思考の余地すらなく、圧倒的なステージにただただ巻き込まれていくのみ。当然のごとくまだ1バンド目とは思えないくらい会場の熱は急上昇し、人々の群れが動くたびにコンクリートの足元も揺らいでいると錯覚するほど場内は暴動状態の熱狂ぶりだ。

 転換中にFREE THROWチームのDJが会場を沸かせているなかで、ステージでは次に登場するLOSTAGEがセッティングをしていた。それぞれが楽器を調整している音やVo./Ba.五味岳久がマイクチェックをしている声が皮膚にビリビリと刺激を与えてくる。会場を包み込んでいた気持ちのいい緊張感を突き破るように、 G.五味拓人の鋭いギターで「ひとり」が始められ、強い粘り気のある五味の歌声が世界の色を変えた。

 3バンド目に登場したのは group_inouの2人。ここまで続いたバンドサウンドと一転して、軽快でシニカルなトラックで観客を翻弄する。会場はダンスホールなんて甘い表現では収まらないくらい、頭を振り乱して狂った人で溢れかえった。それでも2人はまだまだ足りないと言っては会場を煽り、オーディエンスをさらに踊らせる。

 ART-SCHOOLの木下理樹とストレイテナー / Nothing's Carved In Stoneなどで活躍する日向秀和によって結成されたkilling Boyの時間がやってきた。期待が膨らむなかで始まった「Frozen Music」は、轟音で鳴るSEの合間から弦が奏でる音色とリズムが粒になってこぼれ落ちてくるようだ。その上に木下の気怠げな声が乗ることで確固たる個性が生み出され、完全に魅了されてしまった。

 すでに開演から約5時間を経過し、オーディエンスはうっすらと疲労を感じていたのではないだろうか。しかしFRONTIER BACKYARDのメンバーがSEに合せてハンドクラップをしながらステージに登場するとオーディエンスもすぐさまそれに呼応。Vo.TGMXは終始満面の笑みで駆け回り、サポートで参加しているCUBISMO GRAFICOの松田"CHABE"岳二やriddim saunterのTA-1も自由に鍵盤を奏でる最高のパーティ状態に次々と笑顔が伝染していた。

 ヘッドライナーはPOLYSICS! 発売を控えたニューアルバム『Oh! No! It's Heavy Polysick!!!』の冒頭を飾る「Heavy POLYSICK」をSEに3人が登場し、信じられないくらいのハイテンションでVo./G.ハヤシが「トイス!!!!」と叫ぶと、オーディエンスも負けないくらいの絶叫でそれに応える。お馴染みの曲が続いたあとに、ニューアルバムからわけのわからない中毒性を持った「Let'sダバダバ」が披露された。オーディエンスは初めて聴くにも関わらずサビのフレーズを一緒に口ずさみ、聴く者がみな"Heavy POLYSICK"に感染してしまう超危険状態に突入! その後もハヤシのバイザーが吹っ飛ぶほどの超エキサイティングなステージが繰り広げられたあと、彼らの呼びかけで"BAYCAMP or DIE!!!!!"と絶叫して全公演が終了した。

 ロビーステージに登場したPredawn / 鎮座DOPENESS & DJ UPPERCUT / 0.8秒と衝撃。も含め、この日に集まったのは唯一無二の音を生み出している猛者ばかり。否応なしに繰り広げられる素晴らしいステージに、長時間の開催にも関わらず身体の疲労感は完全に麻痺。早くも次回の開催を切望して止まない。



TEXT:伊藤佐和子 PHOTO : 市村岬 (JUNGLE LIFE 2011 3月号転載)

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